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甲賀広域行政組合消防本部(滋賀県甲賀市)が2021年、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けなかった30代の職員に対し、「接種拒否者」として廊下脇で業務をさせていた問題で、幹部らが2日、同本部で報道陣の取材に応じ、今月中旬にも対応を再検証する委員会を開く方針を示した。しかし委員は消防本部の幹部らが務めるとし、委員会の公平性を疑問視する声が上がった。問題を巡っては、副反応への不安からワクチン接種を受けなかった警防課の職員に対し、本部が全職員との接触を制限。更に「ワクチン接種拒否者への業務区別」と題する文書を作り、職員の執務場所を廊下脇の協議スペースとし、行動を記録させていることなどを全職員に周知していた。職員はこうした扱いに耐えられず、約4カ月後に退職した。この日、本部で報道陣の取材に対応した西澤卓也次長らは「消防力を維持するため、感染予防策として職員への要請は必要だったと判断している」との本田修二消防長のコメントを発表。一方で「再検証し、結果に基づき適切に対応していく」とした。そのうえで西澤次長は、22年12月に匿名の投書を受け、本部の幹部や顧問弁護士らによる委員会で対応を検証したが、問題はなかったと結論付けたと説明。当時のメンバー5人と、滋賀弁護士会から推薦を受けた弁護士と市民代表の計7人で再検証するとした。しかし、報道陣から委員を一新すべきではないかとの質問があり、再度検討するとした。一方、説明の中で、本部が元職員を他の職員と共に新型コロナ患者の移送業務に携わらせていたことが判明。感染防止の名目で業務区別をしていることとの整合性を問われた西澤次長は「本人の強い要望があった」と説明したが、元職員は毎日新聞の取材に「移送業務は区別しないことに違和感を覚え、上司に確認したが、出動するように言われた。強く要望したわけではない」と話した。また、持病を理由に接種をしていなかった通信指令課の職員に対しては業務区別をしていなかったことも明らかになった。西澤次長は「部外者の出入りがなく、警防課よりも空間が広いため」と釈明した。
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